「そろそろブレーキパッド交換した方がいいですよ」と車検の見積もりの際に言われたことはないだろうか?そう、今すぐ変えてね、ではなく「そろそろ交換を検討してください」のタイミングで整備士さんたちは伝えてくれるのだ。
筆者も前回の車検時にリアブレーキパッドが残量5.5mmで「次の車検辺りで交換になりそうですよ」と通達されており、そろそろ次の車検を迎えるこの時期にDIYで交換にトライしようとなったわけだ。
というわけでこの記事ではCL7アコードユーロRのリアブレーキパッド交換のDIYの様子をお届けしたい。
ブレーキパッド交換|自分で行うときの必須事項
まず前提としてマイカーの交換手順を完璧に下調べしよう。車種ごとで「ブレーキの形状」も「買うべきパッド」も「手順で注意すべきこと」もすべて異なるからだ。【●●(マイカーの型式)_ブレーキパッド交換_手順】のようなワードで検索して諸先輩方のやり方を学ぼう。
そして少しでも不安があるならばDIYは止めて整備工場へ持ち込むことをおすすめする。どのブログでも「重要保安部品のため素人が手を出すのはやめとけ」の論調だし、間違った手順でやってブレーキが効かなくなって事故しては元も子もなくなるからだ。
ブレーキパッド交換|必要な工具たち
ここからはブレーキパッド交換のために使用した工具たちを紹介しておく。車種・型式によって多少の違いが出てくるため「CL7アコードユーロR」のリア用として参考にしてほしい。
ブレーキパッド
当然だが交換用のブレーキパッドがいる。中古品は状態の良し悪しを自分で判断できないなら避けて、ECサイトで新品を購入するのがおすすめ(メーカーによってはグリスが同封されているため)。
筆者はDIXCELのECタイプ(Extra Cruise)の品番「335112」の新品未使用品をメ●カリで調達。新品の上に付属のグリスも保管しておいてくれた出品者さんだったためだ。
ブレーキグリス
ブレーキパッドとブレーキキャリパーの接触する面に塗るために必要。塗らないとキーキーと異音が発生するので必須だ。新品で購入すると使い切りのチューブタイプで同封してくれるメーカーもある。
もし付属してこないタイプを購入したならば、小さなチューブで安く買えるキタコのグリスがおすすめ⇩
メガネレンチ
ブレーキキャリパーを固定しているボルトを外すために必要。モンキーレンチなどではボルトの頭がなめてしまう可能性があるためメガネレンチが推奨だ。
ブレーキピストンキューブ
聞きなれない名前だがブレーキパッド交換の必需品だ。せり出しているブレーキピストンをキャリパー内部に戻すために必要。適当な代用品を使うと余計なところ(ピストンシール)を破損させてしまうこともあるので必ず用意しよう。
※注射器orスポイト(必要になるなら)
今回の筆者の作業ではギリギリ不要になったが、溢れそうになるブレーキフルードオイルを抜き取る→戻すのに必要。ブレーキフルードオイルがこぼれて車体にかかると塗装に大ダメージになるため念のためでも用意して作業に臨むと安心だ。
筆者はダイソーのスポイトと綺麗に洗って乾燥したペットボトルで代用した。
ブレーキパッド交換|CL7アコードユーロRでの手順
ここからは実際の作業の写真をお見せしながら説明していく。ブレーキ回りの作業は一つ間違えると車の「止まる」が機能しなくなるのでくれぐれも慎重に。かつ時間の余裕があるときに作業しよう。
パッド交換する側をジャッキアップしてタイヤを外す

タイヤを外すのでジャッキアップしてウマ(リジットラック)に乗せる。乗せたらホイールナットを緩めてタイヤホイールを外そう。
「時間に余裕をもって…」とは言ったが、夏⇔冬のタイヤ交換のついでに作業すると効率的で良き。そのため筆者は4月に夏タイヤへ交換するタイミングでオイル交換→ブレーキパッド交換→タイヤ交換を一気にやっておいた。オイルを抜いている時間にブレーキパッド交換をすれば待ち時間を効率的にさばけて良き。必要な作業が一気に片付くと運転も気分がいい。
サイドブレーキを解除する

サイドブレーキがリアブレーキを作動させているため解除が必要だ。当然だがジャッキアップ+ウマかけしていれば、サイドブレーキを解除しても車体は動かない。とはいえウマが外れないように車体に乗り込むときには慎重に。
ブレーキフルードオイルの量を確認する

ボンネットを開けて運転席側の室内側のキャップがブレーキフルードオイルのキャップだ。この蓋は回すだけで外せる。外して残量を見ておこう。

この後の作業でブレーキピストンを戻した際にフルードオイルが溢れないかチェックする場所になる。作業開始時点ではこんな感じ。
ブレーキホースの固定ボルトを外す

キャリパーを外す前にブレーキホースをロアアームに固定している12mmボルト×1本を外す。ここを外しておくとブレーキキャリパーを外したときにホースに負担を掛けずに済むのだ。大した手間じゃない割りにこの後の作業が楽になるので必ずやっておこう。
ブレーキキャリパーのボルトを外す

12mmのメガネレンチでブレーキキャリパーのボルト×2本を外そう。

当然だがかなり固く締まっているので手でメガネレンチを叩いても動かなければハンマーで力を加えてもよい(手を叩いてケガしないことが大事)。
ブレーキキャリパーをS字フックで吊り下げる

ボルトを2本外せばブレーキキャリパーが外せる。外したキャリパーのボルト穴にS字フックなどを通してショックスプリングや付近のアームに引っかけておこう。

ブレーキキャリパー本体はホースとつながっているため、無理に動かすとゴム製のブレーキホースに負担がかかるので慎重にキャリパーの置き場所を決めておきたいところ。
古いブレーキパッドを取り外す

ローターディスクを挟むようにして表と裏についているパッドを外そう。手で持って少しグラグラするだけで簡単に外せる。
2年前の車検時に5.5mmと診断されたパッドがこちら(残4mm?)。残り2~3mmで交換なのでちょうど変え頃の状態である。新旧と比較してもこの通り。サーキットに行くわけでもなく日常でハードブレーキングしない筆者はこれでしばらくリアのパッドを交換する必要はなさそうだ。

プレッシャープレートを再利用する場合は新パッドに付け替える必要がある。ご覧の通り今回のパッドにはプレッシャープレートが付属していたのでその必要はない(古いプレートのみ保管しておく)。
キャリパーブラケット付近を清掃する

写真の通りブレーキパッドの側面を載せているところを清掃しておこう。ブレーキダストが溜まって錆々になっているため、ワイヤーブラシなどでゴシゴシ清掃しておく。上も下もどちらもやっておこう。


新しいブレーキパッドの下準備をする(削り)

今回の筆者のようにブレーキローターは変えずに「ブレーキパッドのみ交換」の場合は、パッド縁の”削り”が必要だ。

ブレーキローターは長年の使用でパッドの当たるところが削り取られて縁が立っている状態になっているため、このまま新パッドを取り付けると「ローターの縁とパッド」がキーキーと音を発生させてしまうためだ。

下準備といっても簡単。パッドの該当箇所をヤスリやコンクリートなどでガリガリと削るだけ。ローターに仮あてしながら削る範囲を確認してやっておいた。
ブレーキグリスを必要箇所に塗る

こちらも異音対策。ブレーキパッドとブレーキ本体の接触する箇所にブレーキグリスを塗る作業だ。

写真の通り先ほどブラシで磨いたところと接触する面、さらにパッドを押すキャリパーとの接触する面に塗っておくのだが、間違ってもブレーキローターにグリスが付かないように注意して「塗る&取り付け」を行おう。パッドとローターの間にグリスが付こうものなら、さながらマヨネーズを塗ったフローリング床の上でスポーツをするような状態になる。走り出しても止まらない→つまりタヒぬ。

ブレーキパッドを設置する
ブレーキパッドの種類によっては取り付ける場所の「表側」と「裏側」があるので確認してから取り付けよう。今回のDIXCELのパッドはインジケーターというパッドから飛び出している金具がついているタイプで、こちらをローターの裏側に取り付けることになる(パッドが減り過ぎたときに音を出してお知らせしてくれる役割)。

写真のようにパッドを表と裏側に設置。
ブレーキピストンを押し戻す
さてパッドも設置したし後はブレーキキャリパーを戻すだけ、と思いきやすり減ったブレーキパッドの厚みの分だけブレーキピストンがせり出してきているため、このままではキャリパーが戻せない。
そこでピストンを押し戻してあげないといけないが、便利で安全な専用工具がこちらのブレーキピストンキューブだ。ラチェットレンチと接続してピストンにあて時計回りに押し込むことで安全にピストンを押し戻すことができる。

CL7に合うのはこちらの面。これを慎重にピストンの十字面の窪みにセットして時計回りに回す。…が結構硬い。左手でキャリパーを抑えながら右手でラチェットレンチを写真のように持ちながらにしてようやく動いてくれた…。

あまり力任せにするとピストンの周囲にあるゴムのブレーキシールを傷める可能性があるため、あくまで慎重に作業したい。
ブレーキフルードの量を確認する
今ピストンを押し戻したことで、ブレーキフルードがボンネット内のリザーバータンク側に押し出された状態になっている。つまり限界を超えればブレーキフルードが溢れてしまうのだ。

写真左はリアの片側だけピストンを戻したときの水位。これだけでも作業前より若干水位が上がっているのがわかるだろう。

そして写真右がリア左右のピストンを戻したときの水位だ。まだ漏れ出ることを心配しなくてよい量だが、もしこれがフロント左右まで含めた全4か所交換するとなれば恐らく漏れ出てしまうはず。そのときのために注射器(スポイト)を用意しておいたが、今回の作業では心配がなさそうなことが確認できたので次の工程に進む。
キャリパーを取り付ける

ピストンを押し戻せていれば、分厚さの復活した新しいブレーキパッドが取り付けられていてもキャリパーをもとの位置に取り付けることができる

元の位置に戻せているならあとは背面のボルトを2本取り付けなおすだけだ。
ボルトを締めたらブレーキローターを回して引っ掛かるところや異音がないか確認しておく。
復旧:ブレーキホースのボルトを取り付ける
あとは元に戻すだけだが、ブレーキホース固定ボルトを外したのであれば必ず取り付けておこう。
運転席側と助手席側の両方とも手順は同じ作業を行っていく。
ブレーキペダルをポンピングする
車両に乗りブレーキペダルを何回か踏もう(いわゆるポンピング)。最初はスカスカの踏みごたえで焦るがいつもの感触に戻るまで数回は踏む。
この作業によって押し戻されたブレーキピストンが新しいパッドの厚みに合わせた位置に戻り、正常なブレーキの踏みごたえに復活するんだ。これをせずに路上に出ると一発目のブレーキがほとんど効かず非常に危険。この後に安全な速度でブレーキの試運転必ず行おう。
ブレーキパッド交換|自分でやってどれぐらいの時間か
筆者自身でやったブレーキパッド交換はこれが2回目。ジャッキアップしてからのリア左右の作業時間はだいたい40分ほどだった。
整備士さんたちが業務中にやるなら半分以下の短い時間でサッと終わる内容でしょうが、こちとらただの車好きだ。”他人を巻き込む可能性のある安全装置”を触るわけだから、慎重に慎重に手順をしっかりと確かめながら作業した結果の40分である。
この事実を認識して「いや~ちょっと怖いかな…」「めんどくさそう」と思うなら迷わず整備工場にお願いしよう。挑戦する人は【ゆっくり時間が取れる日】に慎重にトライすることをおすすめする。
最後までご覧いただきありがとうございます。他にもDIY挑戦記事をあげていますのでご覧になってください。


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