「キーロックシステムって意味あるの?」
クイックリリースを取り付けようとしている人は「追加でキーロックシステムをつけるべきか?」を検討している人も多いだろう。
率直に言えば「まったく意味がないわけではない」というのが正解だろう。筆者はそう思って愛車に取り付けることにしたんだ。
この記事では車の盗難対策のアレコレに対する考察と、筆者が取り付けたときの手順について紹介していく。
これから愛車の盗難対策を考えている人の参考になれば幸いである。
ラフィックス2|キーロックシステム+eの仕組みと効果
キーロックシステム+eはワークスベル社のクイックリリース「ラフィックス2」に追加できる盗難対策オプションだ。
ステアリングを差し込むプラグ(車体側)に鍵のついたフタを取り付けて車両盗難対策をしよう!という目的のもの。
旧モデルとの違いである「+e」の名が示すのはキーロックシステム本体を押すとクラクションが鳴る点だ。
鍵を不正に解除したり工具で無理やりこじ開けようとするときに、車のクラクションが鳴ってしまうのだ。
クラクションでの威嚇の効果はさておき、キーロックシステム自体を工具でこじ開けるのはそれなりに手間がかかることは間違いない。
車内に入られる前に威嚇する効果
ぶっちゃけアコードユーロR(CL7)は盗難被害が有名になるほど被害が多い車種ではない(アメリカでもTSXという名で販売していたため)。
とはいえ何もしなくて盗難されてしまってはまさに「後悔先に立たず」。
なぜなら古い車は「ドアから車内に侵入する」→「直結でエンジンをかける」だけで走り出せてしまうので、過去に悪いことしたことのある一般人(語彙力)ですら比較的かんたんに車が盗めてしまうのだ。
四六時中クルマのそばにいられない私たちは「この車を盗むのは時間がかかるorリスクが高い」と窃盗犯にいかに思わせられるかが盗難対策のカギになる。
ステアリングをかんたんに外せるクイックリリースの取り付け方の解説はこちら⇩。
→ラフィックス2の取り付け手順を解説。フリッパーでラクラク盗難対策。
ラフィックス2|キーロックシステム+eの盗難対策の効果は?
正直なところ海外ネットワークをもつ国際的な窃盗団に狙われたら、市販品でどんな対策をしていてもお手上げであることは承知している。
車泥棒界のS級のプロフェッショナルのような集団だ。
彼らにキーロックシステムをつけていても車が盗まれた人もいるようだ。
ここで筆者が提言したいのは「無駄かもしれない…」と諦めてなにもしていないとB級レベルの窃盗犯にすらターゲットにされてしまうかもしれないということ。
今回筆者がキーロックシステム+eを導入した理由は「S級のプロ”以外”にターゲットにされないようにすること」がメインだ。
車泥棒以外の犯罪を犯した人間が、突発的に移動手段が必要になったとき「あのアコードならパパっと足代わりに使える」と狙われないようにするだけでも導入する価値はあるのではないだろうか。
さてさて話が逸れたが、もし筆者のアコードを窃盗犯が盗み出すとすれば以下の処理が必要になる。
B級の窃盗犯目線でデメリットやリスク自分なりに考察してみる。
「キーロックシステム+e」のキーシリンダーをピッキングで解除できる?
キーロックシステム+eをピッキングで解除する可能性はあるだろうか?
非常にピッキングしにくい「ディンプルキー」のキーシリンダーが採用されているので素人がピッキングで解除するのは非常に手間がかかる。まぁその手段はとらないだろう。
「キーロックシステム+e」のシリンダーをドリルで破壊できる?
ではピッキングできない窃盗犯がいたとして、そんなキーシリンダーはまるごと金属対応刃のドリルで削ってしまえばいいのではないか?
しかし過去にキーロックシステムを無理やりこじ開けて外そうとした窃盗犯がいたようだが、盗難自体は未遂に終わっている(S14、S15シルビアの盗難未遂事件)。
このときはシリンダーをドリルで削った跡があったが、キーロックシステムのフタを外すところまでは破壊できなかったようだ(S14はエンジンを直結でかけられてしまっただが、マフラー音で所有者が異常に気づいて未遂に終わる)。
さらにキーロックシステム「+e」であれば、フタを押すと車のクラクションが鳴る仕組みである。ドリルで削る際はクラクションが鳴らないようにバッテリーのマイナス端子を外すか配線をカットする必要がある。
バッテリーのマイナス端子外せば意味ないんじゃない?に対する答え
その通りだ。「バッテリーのマイナス端子外せばクラクションはならない」。
だが自分が窃盗犯ならクラクションの対策のために「①ボンネットを開ける」→「②バッテリーのマイナス端子を外す」→「③キーロックシステムを破壊する」→「④マイナス端子を戻す」→「⑤乗り逃げる」というふうに工数も増えるのはイヤだし、そんな手間がかかる車は盗みたくない。
必然的に「盗むリストの上位」からは外していくと思う。
※エンジンがかかればオルタネーター(発電機)が動くので、バッテリーのマイナス端子を戻さなくても走行は可能。だが消費電力の量によっては走行中にエンストしてしまう可能性はゼロではないので、いずれにせよ窃盗犯にとってはリスクが増す。夜ならヘッドライトを点灯するだろうし。
キーロックシステム+eが突破されてもラフィックスのソケットがついたステアリングが必要
当たり前の話だがステアリングがないと車を移動させられないので、窃盗犯自身が「ラフィックスのソケットをつけたステアリング」を用意しておかなければならない。
そのため車の所有者は車内にステアリングを置いておくのはもってのほか。
出先では難しいだろうが、少なくとも帰宅するときであればステアリングは持って帰って自宅で保管しよう。
盗難対策は「窃盗犯の仕事を増やすこと」が大事
盗み出すまでに窃盗犯が「やらないといけないこと」をひとつでも増やすのが一般人のできるベターな盗難対策だと思う。
今回のキーロックシステムに加えて、カーセキュリティーの導入、タイヤロック、車両をアースロックする、隠しスイッチで配線を電源につなげない、など手間を増やそう。
いちいち車を使うたびにそれらすべてを解除するのは大変だろう。
だが所有者が解除する手間の数=窃盗犯にとっての盗む手間の数なのだから、やっておく価値はあるのだ。
キーロックシステム+e|取り付け手順
さてここからは筆者が実際に取り付けした手順を紹介していく。
取り付け手順とはいうものの、プラグにはめ込むだけなので特に難しいことはしない。
事前に準備しておくべきことを把握するつもりで見て行ってほしい。
キーロックシステムの裏にコンタクトプレートを取り付ける
キーロックシステムの裏側(プラグと接する面)に「コンタクトプレート」という名称の金属のプレートを取り付ける。
小さな金属の板をプラスドライバーで取り付けるだけだ。
このプレートがソケットと接すると通電しクラクションが鳴る仕組みだ。
キーロックシステムをプラグにかぶせる
プラグのセンター位置とコンタクトプレートの位置を合わせてキーロックシステムをかぶせてはめ込もう。
センターの位置が合っていないとクラクションは鳴らない。
プラグのセンター位置はわかりやすいので迷うことはないはず。
キーロックシステム側も”ワークスベルのロゴの向きと合わせてはめる”とだけ覚えておけば、間違って向きに固定することはないと思う。
夜に帰宅して薄暗いときであっても筆者は間違えた向きで取り付けることはなかった。
キーロックシステムを時計まわりに回転させる
プラグにキーロックシステムをはめ込んだら時計まわりにまわす。
約90℃まわすとこれ以上まわせなくなる。こうすればキーシリンダーが押し込める。
キーシリンダーを押し込んでロックすることができる。
これでキーロックシステム+eのセッティングは完了。
毎日欠かさずステアリングを外して、キーロックシステム+eをかけておこう。
シリンダーを指で押すだけなので、ロックをかけるときに手間がかからないのは嬉しい。
キーロックシステム+e|不足している部品・パーツの注文は可能
筆者はヤフオクでキーロックシステムを仕入れたため、一部の部品が足りなかったが問題なく公式サイトがパーツだけの注文ができた。
こういう痒い所に手が届くのがワークスベルが国内の会社(本社は東京)の商品であることの強みだと思う。
今回はコンタクトプレートとアースリングを1点ずつ注文。どちらも1週間ほどで手元に届けてくれた。
似たクイックリリースメーカーで「NRG」というカー用品メーカーがあるが、こちらはアメリカの会社。
正式名称は「NRG INNOVATIONS」といい、正式名称でググれば公式サイトがでるがもちろん英語表記。
いくら翻訳があるといっても細かい点の確認は、日本の会社の方がかんたんであることは間違いないだろう。
キーロックシステム+eの収納袋、ケースは?
運転しているときはキーロックシステムを外して車内に保管することになるが、収納場所はグローブボックスやセンターコンソールあたりになるだろう。
だが裸のままそういった場所に入れておくと内装が傷つくので、やはりケースが必要になる。
ワークスベル公式でキーロックシステムカバーが販売されているが、小さな巾着袋に1,320円出すのはちょっと気が引ける。
そこで筆者は100均のデジカメポーチを代用したが、これがちょうどいい使い勝手で大満足。
若干のクッション性がある生地でできているため、助手席の上に雑に置いておいてもセンターコンソールに入れてもガタガタ音がしないんだ。
キーロックシステム+eは楽天、Amazon、Yahooどこでも購入できる
今回は筆者はヤ〇オクでキーロックシステムを入手したが、可能であれば新品の購入をおすすめする。
というのも出品者によっては「付属品がすべて揃っているか」までは確認していないこともあり、手元に届いてからパーツの不足を知ることになってしまうからだ。
※筆者が落札したのは中古部品ショップで、箱・説明書はついていたし、スペアキーまでちゃんと残っていて部品の不足が少ないと思っていたが、それでも2点パーツが不足していた。
それであればパーツの追加注文がない新品の方が何かと安心である。
大事な愛車が盗難されないようラフィックス2とキーロックシステム+eを導入してはいかがだろうか。この記事が1人でも被害者が増えないことに役立てていれば幸いです。
ステアリングを外せるクイックリリース取り付けの方法もまとめているので、合わせて見てみてほしい。
→ラフィックス2の取り付け手順を解説。フリッパーでラクラク盗難対策。
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